もののあはれ
5日「先生人語」
写真は「卒業生イラッシャーイ」ゲストの乙川さん。
以下、放送の原稿。
「もののあはれ」は時間の都合で放送ではカツアイ。
でも、なぜ日本人に「秋」が趣深いのか、よく分かる。
のでモッタイナイ。つきましては読んで下さい。
丸谷才一『袖のボタン』(朝日)
「もののあはれ」
「『春はただ 花のひとえに 咲くばかり
もののあはれは 秋ぞまされる』(拾遺和歌集/詠み人知らず)
もののあはれの「もの」とは何か。
大野晋さん的には、タミル語の“man”(マヌ?)にあたるのだそうで、
「永久」の意があるという。
そこから「いつものこと、きまっていること」を言うのだそうだ。
ということは「モノの道理」とは、念を押した重ね言葉、ということになる。
従って、「もののあはれ」モノ(定め)のせいで起こる情緒・哀愁を言う。
四季の移り変わりはどんなことがあっても変わらない必然で、そのことが心を揺さぶる。
男女の仲も、生別か死別かに関わらず、必ず別れがくる。
その切なさもまた、モノノアハレである。
そして、恋の終わりを意味する「秋」=「飽き」の悲哀が日本では特に賞玩(しょうがん)される。」
さて、秋はそういった「もののあはれ」が一段と深まる季節であり、
四季の中で日本人好みの季節といえるのだろう。
だから、「〜の秋」というのは、“読書”から“食欲”までやっぱり秋なのだ。
「経済からみた2大政党制」 橘木俊詔(たちばなきとしあき) 京都大教授
〈欧米の2大政党制〉
リバタリアニズム(自由至上主義/新自由主義)〜市場主義や競争促進を重視して経済効率を優先する
自由競争をどこまでも優先する。その結果、勝者と敗者が明確になる。国民の所得が不平等化するのを容認する。福祉を優先すると人々は怠惰になるから縮小する。
リベラリズム(自由主義/平等主義)〜公共政策を重視して公平性に配慮する
民間の経済活動を自由放任にしておくと強者と弱者の差が大きくなるので、政府が一定の歯止めをする。福祉政策を重視する。
〈アメリカ〉
ブッシュ政権共和党〜リバタリアニズム…コンサーバティブ(保守主義)
民主党〜リベラリズム…進歩主義
〈日本〉
与野党それぞれに両者を抱えている
どうみても、現在の社会は所得格差が広がり(IT企業の一人勝ち)、福祉切り捨てがはっきりして、弱者はますます弱い立場になっているのではないか。